「天からの、贈りもの。」 ⑤忠一さんを、見舞う。

明日、ふじい忠一さんを病院に訪ねるなら、何をしたらいいか。まず、半紙に筆で「やる木、げん木」と書いて、裏打ちして、適当な額にいれた。人の数倍のやる気で巨木を曲げた忠一さんを、見舞い、励ますには、この言葉がいいと信じたからだ。

確認書が守田さんと私宛になっている。神社と自治会宛てに書き直してもらうより、狭川の活性化に使うことを守田さんに認めてもらえばいい「同意書」を用意し、また「田中個人が譲り受けるのではなく、神社と狭川の活性化のためにいただく」との誓約書も書き、捺印した。翌日、同意書に守田さんの判をもらい、病院に向かった。

病床で忠一さんは、私の話を聞きながら、ウン、ウンとうなずいてくれる。「ウンウンじゃなくて、ありがとうでしょ」と雅子さんがフォローしてくれる。同意書と確認書を渡し、持参の額を手に笑顔で写真に納まってもくれた。忠一さんがリハビリに行ったので、ロビーで雅子さんと先客で友人という奈良の額縁屋・池田さんと話をする。


そこへ、大柳生の材木屋・白井さんから電話が入った。「いま、巨木をいただくふじい忠一さんのお見舞いに伊賀上野の病院にいる。帰りに、そちらに寄って頼みがある」と答える。白井さんは、私が狭川の家を買うとき、保証人代わりになってくれた人で、ユニック付きのトラックでの巨木運搬を快諾してくれた。さあ、これで、準備は整った。

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近鉄奈良駅からバスで40分、車で30分の奈良県と京都府の県境に、狭川地区(狭川両町、狭川東町、西狭川町、下狭川町、広岡町)はあります。いにしえの奈良の風景をとどめる狭川地区へぜひお越しください。

〒630-1102 奈良市下狭川町24-2
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