「天からの、贈りもの。」 ①巨木に、出会う。 

きようは、5月20日。ふじい忠一さんの巨木アートに出会ったのが、2月20日だから、あれからちょうど3ヶ月になる。この奈良から、さほど遠くない伊賀上野の 島ヶ原に太い木を曲げる人がいるから、見に行かないかという話は、かなり前にもあったけれど、美術手帖などでそれを知っていた守田蔵さんが大病を患って、無期延期になっていた。忘れた頃に、またその話だが、今回は作者のふじい忠一さんが脳梗塞で入院して、退院しても、もうこの仕事は出来ないだろうという状況だった。

留守宅の奥さん・雅子さんが「作業場に作品が残っていると家が売れない。なんとか片付けて欲しい」という。蔵さん、小林さんと我々の夫婦3組で見に行った。小林拾子さんは、雅子さんのお兄さんである竹内さんの奥さんと中学からの友だちという関係。巨木を曲げた現代アートということ自体、よく判らなかったのだが、実物を見て驚いた。誰しも思うのが、熱を使わずに、どうして曲げたかだが、ふじいさんを手伝っていた雅子さんは企業秘密というばかり。現代アートの不思議といわれる「ふじい忠一の巨木アートこそ、天からの贈りもの」というストーリーが、いよいよここから始まるのだが。

もし蔵さんが病気にならず、あの時見に行っていたら、ふじいさんはまだ元気な盛りで、「なんだお前たちは」程度に扱われていただろう。贈りものになんか、ならなかったはず。

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近鉄奈良駅からバスで40分、車で30分の奈良県と京都府の県境に、狭川地区(狭川両町、狭川東町、西狭川町、下狭川町、広岡町)はあります。いにしえの奈良の風景をとどめる狭川地区へぜひお越しください。

〒630-1102 奈良市下狭川町24-2
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